順天堂練馬病院
行政と連携した地域コージェネレーションシステム整備による非常時のエネルギーセキュリティの確保
令和4年度コージェネ大賞(民生用部門 優秀)受賞
導入前にお客さまが抱えていた課題
順天堂練馬病院(以下、練馬病院)は、2005年7月の開院時より導入していたガスコージェネレーションシステム(以下、CGS)が更新時期を迎えており、更新に当たっては、省エネ性の向上、イニシャルコストの削減、CGSの運用管理が課題でした。また、練馬区においては、首都直下地震への備えとして、地域の防災性向上が課題でした。
地域コージェネレーションシステムの導入で課題を解決
経年CGSの更新時期を迎えていた練馬病院と、地域の防災性向上が課題であった練馬区が連携し、「地域コージェネレーションシステム」を実現させました。
練馬病院の経年CGS更新にあたり、発電電力を300kWから370kWへ増強。非常時はCGSの発電電力を病院の空調のみでなく、医療救護所である隣接する区立石神井東中学校へも給電する仕組みを整備しました。給電した電力は、医療用冷蔵庫用の電源やトリアージ用の照明等へ利用することで、地域の防災性向上を図りました。本事例は都内自治体で初の取組みとなります。
病院においては発電容量を増強した際に電熱比の高い最新機種を選定し、排熱利用を給湯に加えて、暖房も追加することで、給電容量及び省エネ性の向上を図りました。更新前と比較し、発電効率も排熱利用効率も上がり総合効率は約75%に向上、排熱利用先を増やしたことで平時の病院運営における省エネ性の向上を実現しました。さらに、CGSの導入は補助金活用し、併せてエネルギーサービス方式を採用することで費用の平準化を図り、さらにHelionetAdvance制御を新規導入し、CGS設備の定期点検・故障修理・運用管理をTGESが行うことで、CGSの運用管理の最適化による運用効果の最大化を実現しました。